月刊『国際税務』について

2017年8月号 編集室だより(2017.8.10)

◆今号のトピックスでも触れていますが、アジア新興国等では、「PEなくても事業所得課税あり」の規定を国内法に置いているケースがしばしばあります。我が国の国内法も人的役務提供に起因する事業所得等につき、国内法でPEの有無に課税対象とされていますが、「PEなければ事業所得課税なし」の条項を有する租税条約締結相手国の居住者には、条約の規定が優先し課税は行われません。最近では、台湾やマレーシアで、この問題が生じており、前者については、いったん源泉された後、徴収税額を仮勘定にあげつつ台湾当局に対し日台租税取決めに基づく免税手続き申請により還付を仰ぐことになります。一方で、今年1月から適用がスタートしているマレーシアの改正源泉税では、日馬条約の事業所得条項をオーバーライドする“おきて破り”な課税が懸念されるところです。今号では、本件につきPwCマレーシアの佐藤祐司先生に急きょ解説をご寄稿いただきました(I・T)。

◆お知らせしたとおり、今月27日(木)東京、28日(金)大阪で、デロイトトーマツ税理士法人の酒井晶子先生による中国現地法人の新・移転価格文書制度のセミナーを開催します。また、8月~9月にかけて、東京・大阪でPwC税理士法人の吉田愛先生によるアジア11カ国地域の移転価格をテーマとした3日間セミナー(東京&大阪で述べ6日間)も開催いたします。ふるってご参加下さい(S・O)。

◆インドネシアはGDPの成長も続き、在留邦人数も増加するなど、魅力的な市場であり、その人気は衰えていませんが、税制面では、周辺諸国に比して、依然“ハイリスク”な国といえそうです。昨年の12月30日に公表された新移転書文書化規則では、そのわずか4ヵ月後に12月決算法人を対象に最初の作成義務期限が到来するなど、納税者に負担を強いる性急な改正を行う傾向がかねてからあり、また昨今の税務調査においては厳しい税収確保の目標(ノルマ)職員に課せられていることから、強引な指摘事項も目立つようです。今号の東南アジア税務最新動向では、しばしば問題となるインドネシア国外とのサービス(役務)取引などについて、現地税制の概要・留意点などを解説しておりますので、是非ご一読下さい。(A.K)。

◆今号の特集は、去る5月に中島隆仁・東京局国際監理官(当時)をお招きして開催した特別無料セミナーの誌上版となります。東京局調査部における国際課税の執行状況のほか、移転価格税制に係る文書化制度についても詳解いただいております。その提出等については、3月決算法人の場合、「事業概況報告事項」と「国別報告書」については2018年3月末が初回の提出期限となり、「ローカルファイル」については2018年5月末に作成期限を迎えることとなります。本稿では、改めて、それぞれの移転価格文書の提出・作成義務者について資料とともに記載されておりますので、いま一度、ご確認ください(Y.Y)。

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