月刊『国際税務』について

2017年7月号 編集室だより(2017.7.7)

◆昨年12月に続き、先月、タイ・バンコクを再訪しました。雨季に入った当地は、蒸し暑く、明け方と夕方に激しいスコールが降り注ぎます。今回は、新たに、現地で多年にわたり日系企業へのアドバイスを行っているテラスグループの川島伸先生、VTT NIPPONのタンバ・マヒティバニチカ先生にお会いしたほか、日系企業の現地統括会社の実務ご担当者からもお話をうかがうことができました。御世話になった皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。暑く、そして濃い3泊4日でした(Y・N)。

◆日台民間租税取決めに係る両国の実施措置が本年1月から発効しましたが、台湾側における「恒久的施設(PE)を有しない日本企業への事業所得免税」規定については、実務上要注意です。日本と異なり、台湾では“ノンPE=事業所得免税”を受けるためには現地法で定める本取決めの適用手続きをクリアすることが条件となっており、デロイト台湾の池田・加藤両先生によると、これまでの他国との条約の適用申請からすると、承認まで6か月~2年(!)を要するとのことです。台湾からの支払時にいったん源泉課税され、その後、免税申請が承認された時点で還付を受けることになります。この源泉課税は外国税額控除の対象外ですが、本則を大幅に軽減する特例があり、こちらはハードルが低いのでひとまず選択・適用するのがベターとのこと。本誌2016年10月号所収の加藤先生による解説でご確認下さい(A.K)。

◆先月号からスタートした平成29年度国際課税関係の解説ですが、今号では注目の外国子会社合算税制の見直し等について詳解いただいております。改正点のひとつに、親会社で部分合算課税の対象となる所得の範囲・要件が拡大されたことがあります。現行制度のもとでも、特定外国子会社等が一定の額を超える受動的な所得を有していた場合、合算課税の対象とされますが、今回の改正で、新たに貸付金利子も対象とされた他、配当や株式譲渡益についても合算課税の対象となる株式持分割合等の引き上げ(10%→25%)が行われました。そのため、従来は、課税対象とならなかった所得についても、新制度のもとでは、部合算課税の対象となることから、親会社では、改めて外国関係会社等の所得内容を把握するなどの対応が求められています(Y.Y)。

◆牧野好孝先生の書籍『租税条約適用届出書の書き方パーフェクトガイド』の改訂新版(第4版)が出来ました。今回の改訂では、特典条項付きの設例にドイツ、スウェーデンを加えた他、注目の日本―台湾民間租税取決めに係る日本側の適用手続きについても設例と様式記載例を収録していただきました。最寄りの書店、又は税務研究会総支局、税研Webサイトでお求め下さい。秋口には、本書を使ったセミナーも開催予定です(R.・K)。

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