月刊『国際税務』について

2016年12月号 編集室だより(2016.12.5)

◆先に、国税庁より平成27事務年度の調査事績等の公表が行われました。注目の海外取引調査では、法人については、13,044件(前年対比100.7%)の調査が実施され、また、個人についても、海外投資を行っている者などに対して3,348件(同100.8%)の調査が行われました。個人も法人も調査件数に関して大きな変動はないものの、国内を含めた全体の調査件数は減少したのに対し、海外取引調査は「微増」──ほぼ前年並みの水準を維持していることから、引き続き、海外取引調査に注力されていることが窺えます。なお、海外取引調査では、現在、租税条約等に基づく情報交換制度が積極的に活用されています。日本と外国税務当局との間で調査に役立つ情報を交換し合うものですが、新たにチリとの間でこの情報交換規定が導入され、ドイツとの間では、情報交換可能な対象税目の拡充が行われました(租税条約の締結・改正交渉は財務省)。今号の特集では、ドイツとの全面改正・チリとの新規締結条約について解説いただいていますので詳しくはそちらをご覧ください(Y.Y)。

◆ベトナムにおける付加価値税(VAT)は、日本の消費税と同様に、支払ったVATについて原則として仕入税額控除を行うことができる制度となっています。また、仕入税額控除が取りきれない場合には、付加価値税が還付されるケースもありますが、昨今の法律等の改正により本年7月1日から、この還付の引締めが行われています。同改正では、従来の還付規定が削除され、仕入税額控除が取りきれない場合でも、翌期以降の仮受VATと相殺されるだけで、原則的には還付申告は行うことができないとされた一方で、輸出事業者や、新規法人の場合には、引き続き還付申告が可能であるなどの例外規定も設けられています。今号の「東南アジア税務最新動向」では、上記改正のポイントなども含めた、ベトナムにおける昨今の付加価値税関連の改正について解説しておりますので、ぜひご一読下さい(A.K)。

◆税制調査会は、11月14日、配偶者控除見直しを骨子とした個人所得税改革の「中間報告」とともに「「BEPSプロジェクト」の勧告を踏まえた国際課税のあり方に関する論点整理」を取りまとめ公表しました。それによると(1)外国子会社合算税制の総合的見直し(インカムアプローチ型CFC税制への転換)、(2)タックス・プランニングの義務的開示制度、(3)移転価格税制の見直し(無形資産関係)、(4)過大支払利子税制の4つの項目につき、見直しの方向性等が提案されています。例年どおりであれば、今月半ばには与党の来年度税制改正大綱が公表される見込みです。これまでの税調での議論がどのように反映されるのか、注目されるところです。またBEPS行動計画については、子会社所在の諸外国における対応等の動向(国内税制の改正・整備等)にも留意する必要があるでしょう。国際税務研究会では、本誌・セミナー・Web等を通じて、引き続きこれら内外の動向を逐次詳報して参ります。来る年も変わらぬご愛顧のほどお願い申し上げます。皆様がよいお年をお迎えになられますように!(Y・N)。

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