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出国時特例で「外国親会社株式を有する外国人役員が本年7月以降本国に帰任等するケース」は?

2015.01.22

 平成27年度改正で創設される日本版“出国税”──「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」(出国時特例課税制度)では、本年7月以降の国外転出から適用されますが、株式等を保有したまま5年以内に帰国するケースについて課税の取り消しを手当てしているほか、所得税相当額の担保の提供と納税管理人の届出を条件に出国後5年間の納税猶予を手当しています。

 外資系企業で注意したいのが「本国親会社株式を保有する外国人役員等が本国への帰任や他国への異動で出国するケース」。
 与党の税制改正大綱によると、出国時特例の対象は「所得税法上の有価証券──すなわち金融商品取引法第2条第1項に定める有価証券を1億円以上保有する居住者」とされており、規定上は外国籍者や外国株式も含まれます。従って特に「除く」旨が手当されない限り上記ケースについても出国時に課税が行われ、5年以内に株式を保有したまま日本に“帰国”しなければ課税の取り消しは行われないことになります。あるいは納税猶予を申請して株式を保有したままであっても、出国から5年が経過した時点で担保に供していた所得税相当額が国に歳入されることになります。
 税制改正大綱では言及されていませんが、制度の運用に当たっては、外国人役員等の在留資格の種類等(ex.就労ビザか配偶者ビザか)との兼ね合いや、出国手続きとの連携等も注目されるところです。

 なお、納税猶予期限内に国外で譲渡が行われた場合、その4か月後に猶予期限切れとなり、担保である出国時の所得税相当額が歳入されます。その際、譲渡益に対して現地でも課税が行われ、取得価額の引き継ぎ等による日本での出国時特例課税額の調整が行われない場合は、日本側で外国税額控除を認めることとしています。

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