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米国LPSは「法人」に該当~最高裁判決の課税実務への影響は?

2015.09.16

 最高裁判所は、米国デラウェア州法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(LPS)の「法人該当性」を巡り争われていた上告審(原審・名古屋高裁)で、先に、法人に該当するとした国側の主張を認め、LPSの損失は投資者の所得税計算上、損益通算できないとする判断を示しました(最高裁判所第二小法廷・平成27年7月17日/平成25(行ヒ)166) 。
  東京、大阪でも、国側処分取り消しを求めて同様の争点で上告されていましたが、上記判決と同日、上告棄却・不受理決定が行われています(週刊『税務通信』No.3376「今週のFAQ」参照)。

  本件は、個人の“損益通算ツール”としてのLPSを巡り争われていたものですが、法人に該当するとの判示により、LPS経由で資金運用を行っている機関投資家等においても、課税実務上、国内法や租税条約の適用関係などにつき、改めて考慮を要するところでしょう。

 ちなみに関係諸団体が先にとりまとめた「平成28年度税制改正要望」でも、金融庁が「海外の組織体(パートナーシップ等)を通じた投資の円滑化に資するための措置」を求めている他、日本公認会計士協会も「 パートナーシップ等の海外の組織体に対する課税上の性格付けを明確にすること」を要望しています。

※本誌掲載の参考文献
「米国LLCのタックスヘイブン対策税制における「特定外国子会社等」への該当性」(2010年4月号・P37~/秋元秀仁著)
「国際税務訴訟から導かれる実務の論点・留意点」(2013年9月号・P47~/秋元秀仁著)

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