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外国子会社から多額の配当を受け取っていても移転価格課税の適用は法令上妨げられない~審判所・移転価格取消裁決の争点より

2010.03.12

既報のとおり、国税不服審判所は、先に、国内メーカーT社への巨額な移転価格課税処分を取り消す裁決を下しました(平成22年1月27日付)。

本件では、
①国外関連者が請求人に対し配当をしているにもかかわらず移転価格課税が行われたことの適否
②残余利益分割法を適用したことの適否
③基本的利益や分割対象利益算定に係る残余利益分割法の問題点
──等々が争点となっていました。

審判所は、主として③に係る判断に基づき原処分を取り消していますが、①②の争点については、違法はないとした原処分側の主張を支持しています。

特に②では、「移転価格税制の立法趣旨に反するものであり、違法ないし著しく不当な処分である」とした請求人の主張について「配当があった場合には移転価格税制を適用しない旨の法令の規定は存在しない」として退けています。

海外の子会社から多額の配当が行われ、それにより事実上、国外関連者と内国法人の間で“所得の適正配分”が図られているとしても、現行法令下では、移転価格税制の適用は禁止されないということが、改めて確認されたかたちです。

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