月刊『国際税務』について

2016年11月号 編集室だより(2016.11.7)

◆今号の特集は、去る5月に東京国税局課税第一部統括国税実査官(国際担当)の 秋元秀仁氏をお招きして開催いたしました「国際税務事例を踏まえた課税実務の論点と留意点」の誌上版となります(役職・肩書きはセミナー当時。現在は玉川税務署長)。昨年7月に米国デラウェア州LPSの"法人該当性の有無"が争点の租税事件につき、"法人"との最高裁判決が示されたことを受けて、最高裁における判事事項のポイントや本判決を踏まえた場合に生じ得る実務上の問題点等について解説いただいています。また、セミナー時には時間の関係上、あまり触れられなかった「第Ⅰ部 国際課税の状況」(非居住者に係る金融口座情報の自動的交換や国境を越えた役務提供に係る消費税課税の見直し等)についても丁寧な解説が加えられています。当日、セミナーに参加された方にも、有意義な特集記事となっておりますのでご確認ください(Y・Y)。

◆BEPS行動計画13を踏まえ、今年度税制改正で導入された我が国の新・移転価格文書化制度で、先に国税庁がFAQを公表しました。連結グループ収入1,000億円以上の「究極親会社」は、本年4月1日以降開始事業年度を対象に、新たに事業概況報告書(マスターファイル)」と「国別報告事項(CbCレポート」の提供(作成・保存・提示)が義務付けられました。これらの文書は対象事業年度の1年後が「提供期限」となるため、3月決算法人であれば「平成29年3月期を対象に平成30年3月末までに提供」することになります。ただし、グループ内の1社が代表して提供することを選択する「「最終親会社等届出事項」については、対象事業年度末──すなわち3月決算法人であれば来年3月末までに提出する必要があるので、この点留意が必要です(S・O)。

◆来年度改正に向けた税制調査会での議論が本格化しています。今号のトピックスでもお知らせしていますが、国際課税関係では、BEPS勧告を踏まえた「外国子会社合算税制」の抜本見直しが焦点となっています。それによると、いわゆる“タックスヘイブン(TH)国”と言われる軽課税国所在子会社の所得を会社単位で合算対象とする現行制度から、トリガー税率によらず受動的な所得を取り出して合算課税する「インカムアプローチ型」のCFC税制への転換(パラダイムシフト)が提案されています。現行制度でも、平成22年の改正により、会社単位の合算課税が適用除外となるケースについてパッシブインカムである「資産性所得」を部分合算課税する仕組みが追加されましたが、これをより徹底させる方向と言えるでしょう。年末の税制改正大綱とりまとめに向けた今後の推移が注目されます(S・O)。

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