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シンガポール、香港等の子会社に係るTH適用除外テスト・申告をお忘れなく~10%以上所有しているケースは要注意!

2015.03.02

 タックスヘイブン(TH)対策税制の適用除外は、 現行法では「…確定申告書にこれらの規定の適用がある旨を記載した書面を添付し、かつ、その適用があることを明らかにする書類その他の資料を保存している場合に限り、適用する。」(措置法第66条の6)としており、法律条文に明記されている限りでは、いわゆる“後出し”は認められていません。
 従って当初申告時に未提出だと、実体として適用除外要件を充足していても、文理上は、適用除外が認められず合算課税を受けるリスクが生じることになります。
 ちなみに、この点は東京税理士会国際部も注意喚起しています(「グローバル・タックス・サテライト/第12回・軽課税国」(2015年1月))。税理士等アドバイザー各位にあっては、シンガポールや香港等の企業に10%以上出資しているクライアント(個人・法人)に対し、このリスクを事前に十分説明して置く必要があるでしょう

 既報のとおり、現在国会で審議中の平成27年度税制改正法案には、適用除外申告又は資料保存が行われていないケースにつき、税務署長が「やむを得ない事情」があると認めた場合、事後的な提出により適用除外とする"宥恕規定"が盛り込まれています(改正法第8条中の措置法第66条の6の一部改正)。これはTH子会社の「平成27年4月1日以後開始事業年度」から適用される見通しです。

 今3月期においては、従前どおり法人税申告書別表17(3)び同付表1等の記載・提出を行っておく必要がありますが、改正法が施行された後もこの点は同様です。無申告で救済されるのは、あくまでも「やむを得ない事情」が認められるケースであって、限定的に捉えておくべきでしょう。少なくとも「ついうっかり忘れていました」「相手方とコミュニケーションをとらなかったので申告に必要な情報を入手していませんでした」というのは、常識的に考えて救済の対象外とされる公算が高いと言えます。
 更にいえば、改正法案の宥恕規定においても、事後的な適用除外申告書等の提出を条件としており(『・・・やむを得ない事情があると認めるときは、当該書面及び資料等の提出があった場合に限り・・・』)、適用除外申告自体を免除するものではない点にも留意が必要です(措置法第66条の6の一部改正案による同条第8項の新設既定)。

※今3月期に係るTH適用除外申告の別表記載手順等は、本誌2014年12月号・特集「平成2「平成27年3月期対応・外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)の実務」(アーティザン税理士法人パートナー 板野佳緒里氏)をご参照下さい。

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