国際税務の at random マメ用語

PE(ピー・イー)のはなし(2007.7/30)

前回までに確認したとおり、外国人(非居住個人)&外国法人が、日本で所得税・法人税を課税される「(日本)国内源泉所得」は、所得税法に14種類、法人税法に11種類が、それぞれ限定するかたちで列挙されています。

これら多くの所得は、外国法人であれば「源泉所得税+法人税(確定申告による総合課税)」というふうに、支払いを受ける段階で一定税率が「源泉所得税」としてあらかじめ差し引かれて、支払者により税務署に納付されます(源泉徴収制度)。

ただし、「ある外国法人」の11種類の国内源泉所得のうち、
「ある所得」については、
源泉所得税も法人税もまったく課税されない
(=完全な非課税) という事態が生じます。

この「ある外国法人」というのが、
「日本国内にPE(ピー・イー)を有しない外国法人」
です。

そして「ある所得」というのは
「事業の所得」(外国法人の一号所得のうちの"事業の所得")
です。

では「PE(ピー・イー)」とはなにか?
正しくは“permanent establishment”といい、日本語では「恒久的施設」と訳されています。要するに進出先の海外現地国で事業活動を行う際の一定の“場所”“施設”“機能”“拠点”などを指します。
具体的には
一.支店・工場等
二.建設等の作業等
三.自らの事業活動を担う代理人

などが、「恒久的施設(PE)」ということになります。

これらの「PEを有しない外国法人」の「事業の所得」(外国法人の一号所得のうちの“事業の所得”) については、源泉所得税も法人税もまったく課税されません。

これが、いわゆる「(自国内に)PEなければ(外国法人の事業所得への源泉地)課税なしという、“国際的に共通の課税ルール”です。

(つづく)

KeyWord

《外国法人には大別すると2タイプあり》

すなわち(1)日本国内にPEを有する外国法人と、(2)PEを有しない外国法人。(1)は、更にPEの種類により①一号=支店PEを有する外国法人、②二号=建設PEを有する外国法人、③三号=代理人PEを有する外国法人──の3種類に分類される(法人税法第141条関係)。

《外国人(非居住個人)とPE》

所得税法上、外国人(についても、外国法人同様、恒久的施設(PE)の有無による区分が行われている(所得税法第164条関係)。ただし、現実には、個人で、日本国内に「一.支店等」「二.建設等の作業等」「三.自らの非居住個人)事業活動を担う代理人」を有する(行う)ケースは、非常に稀であると思われる。従って、本コーナーでは、PEに関して言及する際は外国人(非居住個人)は度外視し、特に断らないかぎり、すべて「外国法人」に係る事項として扱うことにする。

《外国法人の一号所得のうちの"事業の所得"》

外国法人の国内源泉所得は、法人税法第138条に一~十一号まで、11種類が限定列挙されている。このうち、PEを有しないことで源泉所得税も法人税もまったく課税されない所得は、一号「事業による所得・資産による所得・その他政令で定める所得で二号~十一号までに該当するものを除く」のうち、「事業による所得」である。逆にいえば、「PEなき外国法人」であっても、二号~十一号までの各所得と、一号所得中「資産による所得・その他政令で定める所得」については、「源泉所得税のみ」or「源泉所得税+法人税」が課税される。つまり、ほとんどの場合「PEなくても課税あり」ということになる。

《作業それ自体がPE・生身の人間そのものがPE》

PEは、物理的な意味での固定的施設のみを指すものではない。「日本国内で(外国法人により)行われる建設等の作業という行為そのもの」がPEに該当する。また「代理人」など、"生身の人間"それ自体もPEとされる。
 
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