国際税務の at random マメ用語

外国人は外国法人よりも「国内源泉所得」の種類が多い?(2007.6/1)

外国人(非居住個人)&外国法人が、日本で所得税・法人税を課税される“事業による所得・資産による所得・その他所得”は、「国内源泉所得」として、所得税法に14種類、法人税法に11種類が、それぞれ列挙されています。

念の為、それぞれの表を以下に再掲します。

<表1>
外国人等(非居住個人)が日本で所得税を課税される
日本国内源泉所得一覧(所法161条)⇒14種類
事業による所得・資産による所得・その他政令で定める所得(一号)
下記一号の二~十二号までに該当するものを除く
組合契約事業利益の配分(一号の二)
土地等の譲渡対価(一号の三)
人的役務の提供事業の対価(二号)
不動産の賃貸料等(三号)
預貯金利子等(四号)
配当等(五号)
貸付金利子(六号)
使用料等(七号)
給与その他人的役務の提供に対する報酬等、
公的年金等、退職手当等(八号)
事業の広告宣伝のための賞金(九号)
生命保険契約に基づく年金等(十号)
定期積金の給付補てん金等(十一号)
匿名組合契約等に基づく利益の配分(十二号)
<表2>
外国法人が日本で法人税を課税される
日本国内源泉所得一覧(法法138条)⇒11種類
事業による所得・資産による所得・その他政令で定める所得(一号)
※下記ニ号~十一号までに該当するものを除く
人的役務の提供事業の対価(二号)
不動産の賃貸料等(三号)
預貯金利子等(四号)
配当等(五号)
貸付金利子(六号)
使用料等(七号)
事業の広告宣伝のための賞金(八号)
生命保険契約に基づく年金等(九号)
定期積金の給付補てん金等(十号)
匿名組合契約等に基づく利益の配分(十一号)

所得税法上の国内源泉所得<表1>には、法人税法上の国内源泉所得<表2>には掲げられていない所得が3つ挙げられています。すなわち、

(1)組合契約事業利益の配分(一号の二)
(2)土地等の譲渡対価(一号の三)
(3)給与その他人的役務の提供に対する報酬等(八号)

──です。

このうち③は、個人が受け取る給与等ですから、法人の国内源泉所得から除かれているのは理解できます。では①②は?

実は、①②も法人の国内源泉所得<表2>に含まれて(隠れて)います。
どこに?
<表2>の一号所得=「事業による所得・資産による所得・その他政令で定める所得」のなかに。

支払い時に源泉所得税の課税の対象とするために、所得税法上、<表1>の一号から“抜き出された”のです。

所得税法で定められている<表1>の「国内源泉所得」には、
「外国人=個人の所得税の課税対象となる所得一覧」
という意味に加え、
「外国人&外国法人が支払いを受ける際に支払者により源泉徴収される所得一覧」
という意味もあります。

所得税法では
「外国人に対し<表1>の一号の二から十二号までを支払う者と、外国法人に対し<表1>の一号の二から七号までと九号から十二号までを支払う者は、支払いの際に一定税率の源泉所得税を差し引いて税務署に納める義務がある」
と定めています(同法第212条関係)。 
つまり、所得税法に定める<表1>の国内源泉所得14種類は

外国人(個人)が総合課税(確定申告)により所得税を課される所得(14種類・一号~十二号)

外国人(個人)が支払い時に源泉所得税を課される所得(13種類・一号の二~十二号)

外国法人が支払い時に源泉所得税を課される所得(12種類・一号の二~七号&九号~十二号。八号給与等は外国法人には無関係なので除く)
──を表しているということになります。

これに対し、法人税法で定められている<表2>の「国内源泉所得」は、ストレートに
外国法人が総合課税(確定申告)により法人税を課される所得(11種類・一号~十一号)

──を表しています。

【Ex.外国法人が民法組合等に参加・出資して利益の配分を受けたとき】

1.まず<表1>によって、所得税法上の「国内源泉所得一号の二該当」として、支払い時に源泉所得税を課税され、
2. その後に、事業年度を〆たところで、<表2>によって、法人税法上の「国内源泉所得一号該当」として、その年度の法人税の課税所得に計上され、法人税の課税を受けることになります。

その際、1で既に源泉徴収・納付済みの(源泉)所得税は、2で最終的に算出された法人税額から控除されます(所得税額控除)

つまるところ、外国人(個人)と外国法人の「国内源泉所得」の範囲・種類は、
・前者=外国人(個人)に「給与等」(八号)が含まれているのに対し、後者=外国法人にはそれがない
ところが異なっているのみで、
・その他は実質的にはまったく同じ
といって、当面は差し支えないと思います。

<つづく>

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